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【速報】房総半島沖津波、5万7千人死亡の可能性 首都圏直下、7・6万棟損失も 千葉県の地震津波被害想定 3パターンを公表

2026/5/26 10:30 (5/26 10:30更新)
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 千葉県は26日、県内で甚大な被害が予想される最大規模の地震について、最新の知見を反映した被害想定を公表した。2021年に産業技術総合研究所(産総研)の調査で判明した房総半島東方沖を震源とするマグニチュード(M)8・5の巨大地震のほか、2つの地震の被害を想定。房総半島東方沖の地震では最大で約5万7千人が死亡し、沿岸全域に津波が押し寄せる可能性がある。県は被害が大きい自治体への説明を始めており、災害への備えを急ぐ。(中田大貴)

 県が独自に行っている想定で、更新は2016年以来。30年以内の発生確率が約70%とされる首都圏直下型地震のうち、県内の被害が最も大きい県北西部直下型地震でM7・3が発生した場合の想定を更新した。約1000年前の発生が分かった房総半島東方沖の巨大地震と、100年以上が経過しリスクが高まっている大正型関東地震(M7・9~8・0)でも、新たに被害想定を行った。

◆房総半島東方沖地震 津波、最大12・8メートル

 産総研の調査で判明した房総半島沖の巨大地震。発生すれば房総半島東方の沖合が広く震源域になるとみられ、揺れは銚子市などで最大震度7、県東部の広範囲で同6強と予想される。

 津波の最大波はいすみ市の12・8メートルで、発災から21分後に到達する。銚子市では12・5メートル(同43分後)、一宮町は12・1メートル(同36分後)、南房総市も8・4メートル(同22分後)と、外房の沿岸域全体に大きな津波が押し寄せる。

 冬の夜6時に起きたと仮定した場合、ゆれや火災、津波で失われる建物は約11万3600棟で、発災から2週間後の避難者は約79万5千人に上るとした。海沿いの多くが被害を受け、災害廃棄物の量は能登半島地震時の数倍となる約1175万トン。被害額はインフラなどの直接被害が約14・6兆円、経済活動の低下による間接被害は約1・7兆円になるとしている。

 死者は約4万2100人と推計した。うち津波では約4万200人が亡くなるとされ、全員が地震後5分以内に避難行動を開始したとしても約8200人が死亡する。発生時が冬の早朝であれば、避難行動が迅速でも約2万2700人の死者が出るという。

 ただ産総研の調査では、約1000年前の地層に津波堆積物が見つかった以外のことは分かっていない。地震の周期性が判明していないことから、今後30年以内の発生確率は「不明」とした。

◆大正型関東地震 県南部で震度7

 1923年の関東大震災と同様の規模の地震が起こるとした想定では、館山市や南房総市などの安房地方で最大震度7、県南部で幅広く同6弱以上の揺れが観測される。地震や火災の影響で約920人が死亡。東京湾内には多くの発電所が被災し、停電率は最大で約53%に上るとした。

 関東大震災の際には大きな断層のすべりが3回、相次いで起きたとされる。震源域は神奈川県から県南部と広く海底も含まれることから、県南部では津波も発生すると想定。南房総市では地震4分後に最大で4・7メートル、富津市と鋸南町は5分後に同3・2~3・6メートル、館山市も20分後に同5・0メートルの津波が来る可能性がある。

◆県北西部直下型地震 火災で3万棟焼失か

 市川市~千葉市直下を震源域に直下型のM7・3規模の地震が発生した場合、船橋市や千葉市などで最大震度6強、県西部の広い範囲で6弱が見込まれる。最悪の場合、最大約7・6万棟の建物が全壊、焼失すると予想。人口密集地帯で多くの建物に被害が及び、阪神大震災時のような大規模火災が考えられるとした。

 在宅率が高く空気も乾燥する冬の夕方かつ、やや強い風(風速8メートル)が吹いている場合に起きると、建物の焼失は約3万1800棟になる。倒壊や火災では約2400人が死亡。高齢化の進展やテレワークの浸透で在宅率が高まったことで、前回調査時から約300人増加した。災害関連死も約3800人に上る。

◆避難計画策定指針改定へ

 県ではソフトとハードの両面で対策を進める。津波の被害想定が大きく変わることから避難計画の策定指針を改定し、今回の想定データをもとに各自治体のハザードマップ改訂も呼びかける。また、地震防災ガイドは日本語、英語、やさしい日本語の3種類で作成。ハード面では九十九里町の片貝海岸で、堤防全体をコンクリートで覆い補強する工事が進行する。